(1) 地附山は秋の風情。
萩の花が風に揺れ、屁糞葛が巻きついた金網が生命力を物語る。
籠に入れて秋を楽しみます。
(2) 黄色い花は上松の自宅の庭にいつの間にか群生した菊芋の花。
その根は小さな小芋がぎっしり。
これは菊芋茶として便秘に効果があり、癖のある味ですが意外とお高め。
今回初めて室礼に生けてみました。
後ろの水墨画は山上紘山の作品。
三十三間堂の千体の千手観音。
金箔の色を菊芋の花で見立てます。
(3) 母屋の床の間には、毎年9月9日にご先祖や94歳の義母を祝い、客間に菊の室礼をいたします。
山から秋の花をお裾分けしともらい、籠に活けて、真ん中は挟み菊(はさみぎく)という練り菓子。
右は香炉を置き、お軸は、秋彼岸も近いので奈良の唐招提寺の如来形立像の水墨画(紘山画)で重陽の節句を祝います。
(4) 挟み菊の菓子。
下は花器を逆さにして、台座にしました。
一つの花器を2回に使うお道具の技です。
使えるものは何でも使いましょう!
(5) 黒いお皿は民芸の皿。
皿の網目は、願いを救いとるという意味になります。
上に乗せた金の額に蓮の花(造花)は額に入れた蓮を仏の力で救いとるとして、コロナの苦しみを表しています。
(6) 仏壇横には投げ入れで菊の花、萩の花を活けました。
(7) 玄関先には、毎回取っても取っても咲く雑草と、
こちらも汚い名前を付けられた花、
屁糞葛(ヘクソカズラ)を柱の花器に飾ってみました。
大抜擢の脇役は、いつかこのように人の目につくこともあると願いしつらえます。
【室礼(しつらい)とは、3つの調和で成り立つ】
1)いつ?季節(二十四節季)
2)どこで?(家、仕事場)
3)何を誰のために祈るか?(自分の家族、友人、お客様)
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