top of page
  • 山上 絹代

【コラム】三月十一日の室礼


本日は毎年しつらえているもの。

三月十一日の室礼です。

[あの日を忘れない] (絵)栗と柿を使い、

[苦しみ離れて、喜び来たる]という祈願の室礼です。

お道具はインドネシアの船のオブジェを主体として、西方浄土に魂を運ぶ船に見立てました。舳先には[菜の花]。菜種油が取れる花なので、[灯りの道標]の見立となります。

蛤は一対しか合わないことから、また再び夫婦や兄弟、親族として出会えますようにとの願いを表し、升に入ったあられは亡くなった方々の魂に見立てました。

その隣に寄り添う達磨大師は、残された家族の苦しみを慰める為に魂を導きます。

魂を光の元に返すことで、残された方々の苦しみが離れ、また新たな喜びがやってきますようにと祈ります。

このように、室礼には、人の悲しみに寄り添い、祝福を祈願する表現が基層にあります。

閲覧数:33回0件のコメント

最新記事

すべて表示

【コラム】室礼はいつ頃からありますか?

古くは「源氏物語」に「室礼」の文字を見ることができます。 ということで、「平安時代」が始まりとなります。 中国の文化が「貴族の儀式文化」として日本において定着しました。 中国思想を通じ、室礼は最初は儀式の場を作る空間として機能しました。 主に「寝殿造」において柱だけの解放的な空間

Comentários


bottom of page