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山上 絹代

【コラム】春分の室礼


春分の日の室礼

3月21日は二十四節気では「春分の日」。

またはお彼岸の日でもあります。

お彼岸とは、

極楽浄土に生まれ変わることを願い、亡き人(ご先祖)の供養を行う日です。

彼岸(ひがん)はあの世、此岸(しがん)はこの世のこと。

 

そして、「春分」は太陽が真東から登り真西に沈むことから、死者のいる彼岸に近いので、春分の日の前後3日ずつ、計7日間「供養」が行われます。

「彼岸」は生死を超えた悟りの境地のことを示す仏教用語。

秋には秋分の日があり、秋彼岸として、「お萩」を食べ、春はその名を変えて「ぼた餅」といいます。

同じ食べ物なのに、季節で呼び方が変わるのも珍しく、別物とされることが多いのですが、昨今は、クイズでも多く取り上げられています。

春のぼた餅、秋のお萩と覚えておきましょう。

春に咲く牡丹の花に似ていることから牡丹餅、秋に咲く萩の花に似てお萩。風情が感じられますね。

またこの赤い小豆(あずき)には「魔除けの効果」があると信じられ、邪気を祓う食べ物として、大切なご先祖さまの供養に供えられてきました。

 

 3月は女の子お祝い「ひな祭り」があるので、観音さまを中心に配置し、仏花(ほとけばな)である金盞花(キンセンカ)を供えます。

右端には、古い家にはよくある馬の置物を置き、そこに卒業証書を添えて置きます。

 卒業証書には組紐を結び、無事学業を終えたことを観音さまに報告し、馬のように俊敏に人生を駆け巡るようにと願い、木の魚の置物で、世間を自由に泳ぎ廻る我が子の姿に重ねて観音像に守って頂く為の室礼です。

あなたの家にある古い置物を使い見立ててみましょう!

ある物を上手に生かしてこその室礼です。

床の間の隣の違い棚など、また玄関の下駄箱の上など、スペースは小さくとも、どこでも室礼は可能です。あなたの家ですから、あなたがプロデュース出来るのです。

この室礼は3月の彼岸明けまたは3月末日までしつらえます。

次の室礼は、「晴明」です。

【室礼(しつらい)とは、3つの調和で成り立つ】

1)いつ?季節(二十四節気)

2)どこで?(家、仕事場)

3)何を誰のために祈るか?(自分の家族、友人、お客様)

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