小満の室礼
5月も半ば過ぎ、本日21日より二十四節気の「小満」です。
前節の「立夏」がいよいよ本格的に夏らしく立ち上がり、万物は勢いを増すこの頃、昨年の秋に蒔いた麦の穂が育ちほっとする安堵感を日本人はこう表現したのでしょう。
例えば、子供が手のかかる時期を過ぎ、中学に入学した頃?
もう手もかからず、でもまだまだ高校、大学、就職という難関があるが、取り敢えずここまで来てほっとして、後は育つのを待つばかりの親の気持ちとでも言うのでしょうか?
田植えの準備も始まるこの頃、西日本では「走り梅雨」が見られ「梅雨の走り」とも言います。本格的な梅雨の前に、先走るようにぐずつく天候のこと。
まさに長野も本日は雨です。
お天気が続き、乾燥した毎日に「走り抜ける雨」は農家には「恵みの雨」かもしれません。
しかしニュースでは 各地の天候による災害と伝えていて、「実り」の喜びと裏表です。被害が少ないよう願います。
また五月後半は、麦の収穫期となり、秋の稲刈りの前の(田んぼ)のように黄金色になることから、「麦秋(ばくしゅう)」といいます。
今回の「小満の室礼」はテーマが小さく満つることから、「水(雨)とします。そして麦秋を表す「麦」を」数本使います。
「書」は「小満」です。
*お道具は大きな平皿、小さな杯、麦の穂を3本と花瓶
大きな水盤の真ん中に、小さな器(杯やワイングラス)に水を満たして置きます。丸い大きな器を「収穫」とし、小さな盃の水が「小満」です。(まだ完全ではない小さな願い)
季節が「五月の後半」を表す「麦の穂」で「麦秋」となります。
そのおおきな器の後ろに「小満」の書があることで、「実りへの期待と安堵」がこの季節を語るのです。
さあ、あなたの「小満」をしつらえてみましょう。
いつか大きく実るよう願いをかけて、緑豊かなこの季節を楽しみましょう。
「小満」は生命が躍動する季節の節気、節目。「夏至」を前にテンションup、しましょう。夏を乗り切るために、願いの空間演出してみよう!
【室礼(しつらい)とは、3つの調和で成り立つ」
1)いつ?季節(二十四節季)
2)どこで?(家、仕事場)
3)何を誰のために祈るか?(自分の家族、友人、お客様)
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