日本には古来より、お正月やひな祭り、七夕のような四季折々のハレの日行事に、季節を取入れた調度を“しつらえる”という文化があります。
日常においても、来客があれば、床の間にはお軸を掛け、花を生け、お香を焚き染めるなど来客に合わせてしつらえます。
これを「室礼」と漢字で書く「名詞」です。
“しつらえる”とは、「動詞」であり、室内を清め、人を迎える準備を行う行為を指します。その時、その場にふさわしい四季の飾り付けを言います。
つまり、しつらえること全体を「室礼」、その行為(動作)を「設える(しつらえる)」といいます。
その飾り付けの手順や、やり方などが決められたものを「室礼(しつらい)」と呼ばれ、武家や公家などにおいては心得るべき礼儀作法のひとつとされてきました。武士の時代、お茶の世界においても、利休が「茶室の室礼」を完成させて、現在に至っております。
現在の「室礼」はもっと自由に、床の間のないマンションでも行えます。「儀礼」は行事の折、文化を伝承するためには、繰り返し決められたことも「守る」必要があります。
しかし日常的にも、もっと楽しめます。「家の中は女性が取り仕切る」この風習は今も変わりません。取り仕切る私たち女性が自分の家だからこそ、自由に「室礼」ができます。
「儀礼」は制約もありますが、その制約の意味が理解できると面白く、興味深い日本文化を学べます。それを知った上で、ご自分の家で自由に「室礼」を楽しむのはいかがでしょう?
プロデューサーはご自分で!
その季節に人を招くなら、私ならどんな「室礼」でお客様をおもてなしするか?おもてなしのプロである旅館の女将になったつもりでパフオーマンスしてみましょう。
あなたのセンスと知恵が人を感動させたら、今よりもっと生活が楽しめます。
それはきっと、お嬢さんや息子さんに伝わります。何度も繰り返してしつらえていくことで、伝承されて、その家の家風となるのです。
【室礼(しつらい)とは、3つの調和で成り立つ」
1)いつ?季節(二十四節季)
2)どこで?(家、仕事場)
3)何を誰のために祈るか?(自分の家族、友人、お客様)
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