毎年6月6日ごろから20日頃次の節季 「夏至」 までの期間を芒種といいます。
「芒種」 とは聞きなれない言葉です。
まず、芒(ぼう)とは、米や麦などのイネ科の植物のことで、針のように先端が細く伸びている様を表します。
また、種(しゅ)は、種を植える、栽培する、実りを取り込むという意味が重なりあっています。「芒種」は「芒のあるイネ科の植物を植える時期」又は「実りを取り込むこと」 の意味となります。
「6月はすでに田植えが終わっているのに?」と思われるのは当然で、本来旧暦なら、4月末から5月初旬のこと。新暦では6月になり、一か月のズレがあるのです。
今年の芒種は6月6日、旧暦の4月23日にあたります。あまり深入りすると、室礼に辿りつかないので暦はまた別のお話。
そこで、「芒種のしつらい」 には、梅と枇杷(びわ)と早苗(さなえ)を使います。
*早苗はホームセンターで、「ねこ草」といえば200円程で(税込)売ってます。枇杷は旬の果実。スーパーで400円ぐらい(税込)で買えます。
枇杷は夏に取れる果実であることから、室礼では大成(たいせい)といいます。「大きく成ること」とは、人として大成功する。出世するという意味になります。
梅は梅雨(つゆ)の時期、季節を表し、稲(イネ)は田植えを表します。梅は葉っぱごと取り、少し散髪してあげ、虫食いを少し残し落とします。
風情を残し、自然のまま、実もつけて、大きなガラスの器などに入れ、先の切り口が隠れるくらいに水をいれます。
枇杷は扱いに気をつけて。柔らかく傷つきやすい果物なので、最後にしつらえます。
いただいたものがあればラッキー!お庭になっていれば最高!ふっくらと大きめのものを選び、いじりすぎないようご注意を。
あとで美味しくいただくには優しく扱いましょう。
下に敷くには黒いお盆か古い板などを使用しましょう。枇杷は梅雨明けの太陽を象徴するので、器は白でも明るくなり素敵です。民芸の厚みのあるのもよいです。
枇杷の数は、割り切れない数、陽数が、強く目出度いので、3個、5個、7個などにしましょう。
枇杷は、新しい仕事につく方へのお祝いのしつらいに最適です!応援祈願となります。
イネは実りを祈願するもの。早苗の鮮やかな緑が、爽やかな空間を演出します。今日から20日まで、梅雨明けを祈りしつらえてみましょう。自宅の玄関、商家の店先のショーウィンドウに、あなたの空間を創ってみましょう。
【室礼(しつらい)とは、3つの調和で成り立つ】
1)いつ?季節(二十四節季)
2)どこで?(家、仕事場)
3)何を誰のために祈るか?(自分の家族、友人、お客様)
Comments