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  • 山上 絹代

【コラム】処暑の室礼


「処暑」とは、二十四節気のひとつ

 二十四節気とは季節の変わり目の目安となるもので、春夏秋冬4つの季節をより細かく24分割し、それぞれに名称を付けたもの。春分や秋分、冬至や夏至なども二十四節気です。

 処暑は例年8月23日頃になります。

二十四節気には期間を表す意味もあり、8月23日頃から次の二十四節気である「白露」(例年9月8日頃)前日までの期間に関しても「処暑」と呼ばれます。

 処暑という言葉ですが「処」とは止まると言う意味で、つまり「ようやく暑さが収まり、和らいでくる頃」を意味しています。まだまだ日中は暑くても、夕方の風が秋めいて涼しく感じ、夜風に思わずタオルケットを手繰り寄せる今日この頃です。

 やっと一息つける頃ですが、台風が上陸しやすい時期、収穫を迎える農家にとって農作物の被害が気になる時期でもあります。

 今年の暑さは異常でした。秋の訪れが待ち遠しいですね。

 処暑の頃に吹く風は「送南風(おくれまぜ)」と呼ばれ、お盆の精霊を見送った後に、夏の終わりを告げるように吹く南風のことを言います。ちなみに、秋の始まりの合図でもあるのです。これより前に、精霊を迎え入れるためにお盆の時期に吹く風は「盆東風(ぼんごち)」と呼ばれました。

ところで、残暑見舞いは出されましたか?

 「立秋」(8 月7 日)を過ぎて出すのが「残暑見舞い」です。「暦の上では秋(立秋)ですが、‥」と書くのはそのため。お盆を過ぎてから出しても大丈夫ですが、8月中には出しましょう。

 今回の「処暑」の室礼は、稲の実りを「予祝」して、稲穂を使います。暑さや台風にもめげず、実りの穂をつけた「収穫」を祝います。

室礼「処暑」

1.手ぬぐいのお多福で[福]

2.茄子の置物で[何事も成す]

 「予祝」とは、日本独特の考え方です。「成ったと想定して祝う」先に祝うことで、最悪の結果を払拭して、「晴れの日」にしてしまうという考え方です。

 毎年の「地震」「津波」「台風」「火災」、様々な災害から立ち直ってきた我ら日本の民族の精神を感じます。農家には必需品の「箕」に稲穂を配し、古い「大黒様」を置き「実り」を「掻き入れる」と表現します。

 今年の異常気象を「処暑」の意味「暑さが和らいでくる」ことで、結果は「収穫」と「成った」とします。「終いよければすべて良し」です。

 「大黒天」は、竃(竃神(かまど神))です。田の神であり、七福神のお一人の福の神でもあられます。米をかきいれる。福をかきいれる。私たちの守り神として配します。いわば神というサポーター!

 2018 年、最悪な災害が起こり。各地で被害も多かったこの年を「収穫の年」に成りますように、願いを込めてしつらえましょう。  

【室礼(しつらい)とは、3つの調和で成り立つ】

1)いつ?季節(二十四節季)

2)どこで?(家、仕事場)

3)何を誰のために祈るか?(自分の家族、友人、お客様)

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