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【コラム】重陽の節句


 9月7日〜9月21日頃を「白露」(はくろ)と言い、大気が冷えてきて、草葉に朝露がつき始める頃。季節は本格的に「秋」へと移り変わります。

 9月23日頃になると、昼と夜との長さがほぼ等しくなります。秋の彼岸の中日でもあり、「暑さ寒さも彼岸まで」と昔の人が言ってきたように、暑さが一段落してしのぎやすくなります 。

この頃の「室礼」は、「重陽の節句」が代表的です。

日本には「五節句」という行事があり、1月1日元旦を始めに家族で祝い、3月3日は女の子を祝い、5月5日は男の子の祝い、7月7日は男女の祝い(結婚)、最後に「重陽の節句」で9月9日で老男老女のお祝いで終わります。つまりは人生儀礼の最終が「重陽の節句」なのです。

 中国の「陰陽思想」は奇数を「陽数」、偶数を「陰数」と考え、中でも「9」は「最大の陽数」となり、「9」が重なる「9月9日」は「重陽」で陽の極まるおめでたい日となります。旧暦9月9日は今の十月半ば、秋もたけなわ。

この頃に「菊の花」が野山を彩りはじめます。不老長寿の薬として栽培されていた中国ではこの日に「山茱萸(サンシュユ)」の実を袋に入れて、丘や山に登り、酒に菊を浮かべ、その「菊酒」を飲んで 長寿を願う風習が日本の平安時代の宮中に伝わり行事となりました。

 今回の室礼ではテーマは「長寿を祝う」です。

ですから、家族の最長老の方を祝う室礼です。

①お道具は「帯」で長い人生を表し、7歳の「七五三」の帯、嫁入りの帯、人生の最後に締める帯など年代を表す帯を使います。

長い人生を帯に見立てます。

②「花」は「菊」、「菊の節句」とも言われ、菊の柄の着物や帯を使います。

 ご両親の帯や祖父母の帯を飾ってしつらえてあげましょう。「菊の花」は、「被綿」(きせわた)と言って綿や和紙を被せます。

③またこの時期に取れる「かぼちゃ」を「菊座瓜」(きくざうり)と言って真上から見たら菊に見えることから使えます。

しつらえた後は煮て食べると秋の旬を味わえます。

 家にあるもので充分間に合うお道具、探してみてください。おじいさん、おばあさんの昔話を聞けるチャンスです。

室礼は家族の記憶を引き出します。この家族でしか持ち得ない記憶は価値ある財産です。

五節句の最終章、

「長寿」を祝い「菊酒」で健康を分かち合いましょう!

今回も上松の山上家では、「重陽の節句」をしつらえました。参考にしたり、自分流にアレンジしたり、お楽しみください。でも何よりなのは、家族に喜んでいただくこと。それが一番の「おもてなし」です。

【室礼(しつらい)とは、3つの調和で成り立つ」

1)いつ?季節(二十四節季)

2)どこで?(家、仕事場)

3)何を誰のために祈るか?(自分の家族、友人、お客様)

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