「二十四節気とはなにか?」
室礼にとって、「二十四節気」とは。
農業や漁業の生活が中心だった日本にとって、「春夏秋冬の移り変わり」と「日々の暮らし」は深く関わっていました。古代より季節を愛でる感覚は、暦にも現れています。
毎年かける新しいカレンダーに「二十四節気」と「行事」やその日が「大安」か「仏滅」か?実に多くのことが書き込まれています。二十四節気には農作業に必要である重要な情報が満載されているので、明治になり、旧暦から新暦に変わっても、農業に必要な暦として二十四節気は生き残ったのです。
新暦と旧暦?
旧暦の起源は「古代中国」。飛鳥時代に日本に伝わり、その後平安時代の862年(貞観4)に採用された宣明暦(せんみょうれき)は800年以上も使われました。
江戸時代には、強大な権力で幕府天文方が権限を持ち、1685年(貞享2)渋川春海が元の授時暦(じゅじれき)を改良して完成させた貞享暦が採用されました。(冲方丁氏の小説「天地明察」でも有名で映画にもなる)
その後3回の改暦を経て幕末から明治にかけて使われたのが「天保暦」です。一般に「旧暦」とはこの「天保暦」を指します。明治になり太陰太陽暦からグレゴリオ暦に変わったので、明治前を「旧暦」、明治以降を「新暦」としました。
日本の伝統行事は、旧暦に基づき行われてきました。しかしこれをこのまま同じ日付に行うと季節感が合わなくなることも多く、そのため現在では、行事を一ヶ月遅らせて行うこともあり、これを「月遅れ」と言います。(月遅れの盆は8月7日。二十四節気の始まりは、「立春」の2月4日で、旧暦の「正月の節」一年の始まりとされました。)
春の始まりでもある「立春」に続いて「立夏」・「立秋」・「立冬」で「四立」(しりゅう)といいます。「二十四節気の各期間を3等分したのが「七十二候です。室礼には「季節」は重要な「テーマ」。基本となります。
伝統行事には「季節」と「気候」や「自然現象」が融合されて、そこに「人の想い」が重なるのが室礼です。「五節句」もその一つです。(正月・ひな祭り・端午の節句・七夕・重陽の節句)。全てが「節目を祝い、幸せを願う行事」です。
室礼はその「四季」や「二十四節気」のテーマに合ったお道具を使い、空間に四季を見立てる「儀礼空間」なのです。個人個人が人生儀礼の中で、家族が「祝い」、子供の「幸せを祈願する」これは「おもてなし」とも共通する日本人の精神性、人生観なのです。
「二十四節気」とは、一年12ヶ月を生産する人々の節目に培われた知恵として残された私達日本人の遺産です。
知っていることで「感謝の心」が育まれます。知らない大人が、感謝のない子供を育てるのです。「ご飯粒を残さない」「出された食事に感謝する」「最後まで使い切る」「勿体無い精神」どれもが戦前の教え、昔は当たり前に言い伝えられた言葉です。
今や死語となりつつある「教え」こそ必要な時代、それが「令和の時代」だと思います。
二十四節気を知ることから日本が見えてきます。忘れられた万葉集から「令和」という時代が生まれたからこそ、「日本人の足元」に気づけます。「四季を愛でる心」で日本を見てみませんか?
【室礼(しつらい)とは、3つの調和で成り立つ」
1)いつ?季節(二十四節季)
2)どこで?(家、仕事場)
3)何を誰のために祈るか?(自分の家族、友人、お客様)
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