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山上 絹代

【コラム】夏至の室礼


「夏に至る」とは、文字どおり「これから本格的な夏が始まるということ」であり、

一年で最も最も昼の時間が長く夜が短いころのこと。

 秋の夜長に対して、夏の夜は「短夜」と呼ばれ、短く、開けやすく、

夏至と冬至では夜の長さが5時間もちがうそうです。

 四季の中でも、この時期は梅雨。

 旧暦5月に減り続く長雨のことなのですが、今年の梅雨はなかなか雨が降りません。

気になるところは、水不足で野菜の高騰、私たちの食卓に影響を与えます。

天気が良いのはありがたくても、やはり、季節の流れはいつもどおりが嬉しいものです。

 五月雨(さみだれ)という言葉は「皐月(さつき)」の「さ」に、

「雨」を表す「水垂れ」が合わさって、「五月雨(さみだれ)」になったとか。

それが明ければ、「五月晴れ(さつきばれ)」。

人生にもそんな時があります。

何をやっても駄目な時、いつか晴れる「五月晴れ(さつきばれ)」の日を待つ時、

季節が巡ることを祈ったのでしょう。

 季節の天気の様に、何が起こるか分からない私たちの日常。

穏やかに過ごせるように祈りん込めて、「祭り」や「行事」が行われてきたことに

思いを寄せて、来る夏を迎えたいものです

 6月の大祓、7月の七夕も、お盆を前に祓い清め、ご先祖さまが帰られる

お盆の準備をするのです。

日本の夏の祈りは奥が深く、節目を大切にすることを教えてくれます。

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