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山上 絹代

【コラム】夏至の室礼


6月21日 夏至の室礼(げしのしつらい)

 一年で最も昼の時間が長く、夜が短いのが、二十四節気の「夏至」になります。

 6月21日、今日この日を過ぎると本格的な夏がやってきます。昨夜も7時ごろまで明るく、夏の到来を感じました。

 夏至は、太陽の通る道が一年の中で一番北になるため、太陽が出ている時間が長くなるのです。太陽の動きを基準とするため、毎年同じ日が夏至になるわけではなく、今年は6月21日になります。

 これに対応するのが「冬至」。一年で最も夜の長さが長く、昼が短くなります。夜の長さが5時間も違うのです。それで「秋の夜長(よなが)」 というのです。だから、短くて開けやすい夏の夜を「短夜」(みじかよ) というのでしょう。

 今年はつい最近の大阪の地震があったり、災害は毎年のように日本を席巻します。地震があれば、「梅雨」真っ最中の今、その状況は深刻化します。

 古代日本の人々は、天気予報もない時代にどれほどの不安と恐怖を感じていたことでしょう。「室礼」とはそんな不安を「願い」として「祈りの空間」を作り、神に無事安泰を祈願したのです。

 今日「夏至の日」は、世界各地で「夏至祭」が行われれます。日本では、三重県にある二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)で行われます。

 二見興玉神社では、夏至の前後一ヶ月のみ、朝日が夫婦岩の間から上るそうです。「夏至祭」では一年のうちで、太陽のエネルギーが最もあふれる夏至の日に、夫婦岩のちょうど真ん中から差し上る朝日を浴びながら禊がおこなわれます。

 今回の「夏至の室礼」では、古代からの先人に習い、「水晶」を「太陽」に見立て、「セレナイトの原石」と「化石」を、伊勢の「夫婦岩」に見立てました。太陽が大地を守り人々を救うようにという思いを込めて、夫婦岩の間から「朝日を拝む」ことから、今回の大阪の地震で被害に遭われた方々の1日でも早いいつもどおりの生活に戻ることを願い、祈りを込めてしつらえています。

 この夏至祭は世界で行われていますが、日本では2003年に第一回の「100万人のキャンドルナイト」というイベントが始められました。「電気を消してスローな夜を」という節電やスローライフをよびかけるもので、日本各地でおこなわれているそうです。

 「夏至と冬至」には、20時から22時まで電気を消し、ろうそくの明かりだけで過ごすそうです。今夜は、私も大阪にいる親戚や知人や友人のためにろうそくの火を灯し、不便な生活をしている肉親や友人のために祈ろうと思います。

【室礼(しつらい)とは、3つの調和で成り立つ】

1)いつ?季節(二十四節季)

2)どこで?(家、仕事場)

3)何を誰のために祈るか?(自分の家族、友人、お客様)

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