雪のない今年の信州の冬、このまま春がと思いきや、やはり今週には雪が降るとか?四季はつつがなく来てこその一年です。
雪があれば生活は不便です。
けれど、不便だからこその生活の知恵は生まれ、お料理の個性が生来ます。野沢菜漬けも寒いから美味しい。暖かいとその味も半減します。便利ばかりを追いかけて、地球は悲鳴をあげているのかもしれません。
不便だからこその良さや、四季のあり方を「室礼」を通して考えてみましょう。
今日は節分。以前「鬼はなぜ豆で追い出されてしまうのか?」室礼の観点から説明をしたことがあります。今回は初めての方にも分かるように、再度見る方には復習として思い出してください。
「鬼を追い出す」こと。それは「冬を追い出すこと」なのです。
「冬を鬼に見立て」、「早く春になって欲しい」思いを行事に託し、春を迎える「迎春行事」として、毎年行われ、ニュースでは各地の様々な行事として紹介されます。
奈良東大寺二月堂の追儺会(鬼追い式)は有名です。鬼やらい神事はこの日、日本各地で行われます。
また「豆を使うのは、「魔を滅する」から「まめ(魔減)」でしたね。
柊(ヒイラギ)を使うのは鬼の目にヒイラギの棘のような葉を刺し退治するためです。
だから「柊』という字は「木」に「冬」と書きますが、日本で当て字にしたもの。元は棘のような葉で「ヒリヒリ痛む」という意味で「ひひらく」といい「ヒイラギ」。
外敵から守る意味があり、戸口に吊るしたようです。今回の室礼には使いませんが。
今回は立春に重きを置いて、「南天」を柊の代わりに使いました。
「節分」の翌日は「立春」で、室礼も鬼から「お多福」に早変わりします。
ということは「お多福」は「春」の見立てということ。守るための「柊」を「難を転ずる南天」に
置き換えてみました。
また今回の室礼は、鬼を追い出す呪具に「焼きうるめ」を使い、「匂い」で追い出します。この匂いを鬼は嫌うとか?昔は柊と同じく戸口に吊るし、鬼が入らないようにしたそうです。
現代は、この匂いに誘われて、お酒の大好きなお父さん方が帰宅するかもしれません。
新型コロナウイルスのニュースが飛び交う日々ですが、この「難を転じて福と成す」の室礼を玄関にしつらえてみましょう!ウイルス怖くて、早く帰宅のお父さんのお酒のお供は、やはり「焼きうるめ」が最適ですね。
今年の恵方「西南西」に向かって静かに家族で「恵方巻き」を食べる姿は笑えます。きっと!
「笑う門には福来たる。さあ、2020年を笑って迎えましょう。」
【室礼(しつらい)とは、3つの調和で成り立つ」
1)いつ?季節(二十四節季)
2)どこで?(家、仕事場)
3)何を誰のために祈るか?(自分の家族、友人、お客様)
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